ロシア漁業情報

2013/11/1
ロシア漁業ニュースヘッドライン2013/11

2013年11月10日
ユ−ザ−  各位
                                                                
拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
さて、ロシア漁業庁は、2013年10月上旬、同庁顧問ビチコフが、韓国海洋水産部国際政策局長チョン・ボク・チュレム(Чон Бок Чулем)と会談し、韓国企業によるリフラッギング操業(ロシアフラッグ漁獲枠約20万トン/韓国内国貨物扱い)について協議したと発表しました。チョンは、ロシア独占禁止庁が指摘する、韓国企業の極東漁業会社への違法な状態での関与にかかる問題について懸念を表明すると同時に、韓国にとって、当該操業がもたらす国民へのスケトウダラの供給が大変重要な位置づけとなっていることを説明し、韓国政府が、外国の産業に投資する場合、相手国の法律を遵守するよう指導していることを強調したとのことです。これに対してビチコフは、韓国企業の活動に、違法が確認された場合、来年2014年1月1日から、それらに対して漁獲枠の配分は停止されると指摘し、この問題が、ロ韓漁業委員会へ悪影響を与えることがあってはならないと言及したと伝えられています。
また、次期第23回ロ韓漁業委員会は、当初、今年年内の開催を予定していましたが、韓国の遠洋産業発展法の発効のタイミングと、未解決の韓国による極東地方の水産貿易センターへの投資問題もあり、その設定の調整を延期することになったとのことです。
今月号においては、これらの動向を、今後の極東漁業に大きな波紋をよぶ問題と位置づけ、TopNews としてご報告申し上げます。
なお、2013年10月中旬、漁業分野を統括する副首相アルカデイ・ドヴォルコヴィッチ(Аркадий Дворкович)は、再生産可能天然資源省を創設することが、この分野の問題解決には結びつかないと表明しました。昨年2012年、ロシア漁業庁は、漁業分野のガヴァナンスの改善の必要性について首相メドヴェージェフに書簡を送付し、漁業分野には漁獲量や魚製品生産指数の低下など、ネガテイブな変化があり、農業省には、生産、保管、物流等、この分野でのプロの数が十分ではないと指摘、漁業庁を農業省傘下からひきだし、独立した省とするか、あるいは、それをベースに置いて、水産業、林業、そして狩猟を管理する再生産可能天然資源省の設立を要請していた経緯にありました。この件につきましてもあわせてお知らせ申し上げます。
(*来月11月下旬からロシアにおいて日ロ漁業委員会第30回会議が開催予定で、報告担当者も当漁業委員会に交渉団随行員として参加の可能性があり、例年どおり、12月号は新年1月号との合併号とさせていただきます。今年も変わらぬご愛顧をいただき、誠にありがとうございました。)  
敬具
(国際漁業対策事業部;原口聖二)                                                                          
Contents
TopNews  次期ロ韓漁業委員会の設定が当面延期となる
・再生産可能天然資源省の創設は漁業分野の問題の解決に結びつかない
・ロシア大手“ルスコエモーレ”「ロシアの海」のスケトウダラ関連漁業会社買収6社に
・モスクワ仲裁裁判所がスケトウダラ漁業者協会の提訴を棄却
・労働組合が漁獲割当にかかる独占禁止庁の提案に反対する
・農業省が漁業分野の競争と立法の改善に関する会議を開催
・灰色操業はロシア排他的経済水域から排除される
・漁業界の歴史的指導者が漁獲割当の長期間設定をプーチンへ要請する
・独占禁止庁は韓国企業の違法漁獲割当取得問題調査結果を近々発表
・漁獲割当配分にかかる農業省ワーキンググループが開催される
・モスクワ仲裁裁判所がスケトウダラ漁業者協会カルテル問題の審理を続ける
・韓国当局はロシア独占禁止庁の調査活動に呼応する
・ドヴォルコヴィッチが委員長となり漁業分野の政府委員会が開催される
・漁獲割当配分方法のあり方を政府委員会が論議することになる
・国の指導者は漁獲割当配分における優先度に過ちを犯している
・独占禁止庁が水産物取引の電子化を提案
・ロ韓IUU漁業防止協定の効果 韓国市場のロシア産カニが減少
・米国タラバガニ業界 政府機関閉鎖で操業できず日本市場のロシア産シエア拡大を危惧
・ロシアIUU漁業防止対応 北朝鮮向輸出漁獲証明書の発行が開始される
・ロ日IUU漁業防止協定に基づく委員会代表にイーゴリ・セドフが任命される
・ロシア漁業者底魚等操業関連(10件) サハリン・クリール海域の2013年9月期操業レヴュー等 
・ロシア太平洋サケマス操業関連(7件)
・ロシア太平洋サンマ操業関連(7件)
・ロシアFOC/IUU取締情報関連(13件)
・韓国スケトウダラ等市場関連(8件)
・その他(10件) 韓国のNPFC事務局誘致の失敗等