ロシア漁業情報

2014/7/17
ロシア漁業ニュースヘッドライン2014/08

2014年08月10日
ユ−ザ−  各位
                                                                
拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、ロシア農業省は、2014年7月10日、農業第1副大臣マニロフが議長を務め、水棲生物資源の生産と保護にかかる法整備等、水産業発展のための提案を準備する作業グループ会合を行い、漁獲割当配分のメカニズム改善について協議したと発表しました。
現在のロシアの漁獲割当は、2008年に過去の漁獲実績を勘案し、2018年までの10年間設定されたもので、その更新期が近づくにあたり、新たな配分方法の策定が求められており、ロシア業界は、金融や設備投資の面などを理由に、概ね過去の漁獲実績を勘案した長期的漁獲割当の設定を望んでいる一方で、これを利用せず転売して、利益を得る者の存在等があり、しばしば、この歴史的原則の近代化も指摘されているとのことです。また、ロシア国内で建造した漁船に漁獲割当の優先権を与える所謂“造船クオータ”、水産加工場の建設に投資する企業に漁獲割当の優先権を与える“加工場建設クオータ”、更には、漁獲割当の配分を受けた者に課せられる義務を明確にする”予算配分機構クオータ”等が各者から提案されているとのことです。
今後のロシアの生産体制の展望に関するこの問題を集約して、今月号のTopNews としてご報告申し上げます。
なお、同年7月10日大統領プーチンの旧友で、ビジネス成功の陰にその友好関係があるとされる石油トレーダのゲンナジー・チムチェンコが、主要株主となっていたロシア水産投資企業グループ“Русское море”(“ルスコエモーレ”「ロシアの海」)の持株を売却したとイズベスチア紙が報じました。更に翌11日には、ロシア漁業庁諮問機関である“公共評議会”の設定更新後の第1回目の会合が開催され、元ロシア国家漁業委員会議長、元全ロシア漁業者水産物輸出者協会ヴァルペ(ВАРПЭ)会長で、現チホーオケアンスカヤ・ルイブプロムシレンナヤ・カンパニヤ(Тихоокеанская рыбопромышленная компания)社代表のアレクサンドル・ロージン(Александр Родин)が、その委員長に選出されました。これらの動向も今月号であわせてお知らせ申し上げます。
敬具
(国際漁業対策事業部;原口聖二)

Contents
TopNews  農業省が漁獲割当配分のメカニズム改善を協議する
・シェスタコフが”予算配分機構クオータ”を主張(ロシア漁業2018年漁獲割当設定関連外2件)
・更新された“公共評議会”委員長にロージンが選出される
(ロシア農業副大臣シェスタコフ動向および2ケ国間漁業協定関連等外9件)
・密漁者から押収したカニ製品が盗難される(FOC/IUU取締情報関連外4件)
・ロシア漁業者による今漁獲量が217万4,400トンに達する(ロシア漁業者底魚等操業関連外7件)
・オ海北部における無脊椎動物資源漁獲状況(ロシア漁業者無脊椎動物資源操業関連外4件)
・母船フセヴォロド・シビルツェフがサケマス・サンマ操業に参加(ロシア太平洋サケマス操業関連外8件)
・ロシア研究機関が今年漁期のサンマの潜在的漁獲量を発表(ロシア太平洋サンマ操業関連)
・石油トレーダのチムチェンコが「ロシアの海」の持株を売却へ(その他ロシア漁業関連情報外9件)
・韓国 対中FTAで輸出拡大を目指す(韓国スケトウダラ等市場関連外2件)
・北朝鮮水域の中国漁船操業 東海北上昨年の2倍(北朝鮮漁業関連外1件)

計58報告

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