ロシア漁業情報

2014/8/18
ロシア漁業ニュースヘッドライン2014/09

2014年09月10日
ユーザー  各位
                                                                
拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、2014年8月7日、ロシア政府が、前日6日発表された西側諸国への経済制裁報復措置にかかる大統領令に基づき、今後1年間ロシアへの輸入が禁止となる品目と、対象国・地域を発表し、品目は主に食肉、水産物、牛乳・乳製品、野菜・果物、国・地域は、米国、EU、カナダ、オーストラリア、そしてノルウエーに限定したと伝えられました。
 ロシアの経済制裁報復措置としての禁輸による各国の食糧主要品目のインパクトで、ノルウエー水産物は突出していて、ロシアの輸入業者・流通業者で構成される業界団体は、当該措置で倒産にいたる業者も出てくる可能性があり、政府にその悪影響を取り除く対応を望む旨の要請を行いました。一方、養殖事業・加工流通販売も行う、ロシア最大水産グループ“Русское море”(“ルスコエモーレ”「ロシアの海」)は、養殖サーモンの販売単価を現状の2倍に設定する計画としたものの、チリやフェロー諸島を経由して、今後もノルウエー・サーモンのロシアへの供給が続くだろうとの予想を明らかにし、その背景に、本社をノルウエーにおき、同国、チリ、フェロー諸島、カナダ、スコットランド、そしてアイルランドに養殖サーモンの生産拠点をもつ、世界最大の生産者“マリンハーベスト”の存在を指摘しました。
このロシアの経済制裁報復としての水産物禁輸措置関連情報を集約し今月号のTopNews としてご報告申し上げます。
なお、同年7月末には、ロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフがモスクワで、韓国の特命全権大使ウイ・ソン・ラクと会談し、2国間の漁業協力等について話し合い、その場で、ロシア海域韓国合弁(ロシアフラッグ/韓国内国貨物扱)スケトウダラ操業について、“国防•安全保障戦略産業に対する外国人投資手続法”(外国人投資法)の一部改正に伴い、漁獲割当が没収される等、厳しい対応がとられる可能性がある旨を言及しました。さらに、同年8月上旬、ロシア極東漁業が、付加価値の低い原料ベースでの輸出依存から脱却できないことが喫緊の課題と位置付けられ、関税調整の必要性等が指摘されている中、これに逆行するように、政府がWTO対応として来年2015年、更に輸出関税を低減し、スケトウダラ等、一部水産物については、それをゼロとする計画をしていると伝えられました。これらの点についても今月号であわせてお知らせ申し上げます。
敬具
(国際漁業対策事業部;原口聖二)
Contents
TopNews  ノルウエーは制裁報復措置を迂回してロシアに養殖サーモンを供給するだろう
・養殖漁業のためノルウエーからのスモルト輸入は認める(経済制裁報復措置関連外6件)
・農業副大臣シェスタコフが韓国特命全権大使ウイ・ソン・ラクと会談
(ロシア農業副大臣シェスタコフ動向および2ケ国間漁業協定関連等外4件)
・ロシアのスケトウダラ輸出は来年2015年に関税がゼロとなる((ロシアWTO対応関連等外1件)
・カニ密漁パナマFOC船船長に2,700万ルーブルの罰金(FOC/IUU取締情報関連外4件)
・スケトウダラ漁業者協会と研究機関カムニロが提携合意(ロシア漁業者底魚等操業関連外8件)
・オ海北部における無脊椎動物資源漁獲状況(ロシア漁業者無脊椎動物資源操業関連外4件)
・太平洋サケマス漁獲量が約18万8,000トンとなる (ロシア太平洋サケマス操業関連外8件)
・ロシアが今年2014年漁期はじめてEEZでサンマを漁獲(ロシア太平洋サンマ操業関連外1件)
・今年2014年上半期水産物製品の輸出が10.3%減(その他ロシア漁業関連情報外6件)
・幽霊船手前の“INSUNG No.7”がモンテビデオ入港決定(韓国スケトウダラ等市場関連外4件)
計57報告

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