ロシア漁業情報

2014/9/16
ロシア漁業ニュースヘッドライン2014/10

2014年10月10日
ユーザー  各位
                                                                
拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、第9回国際漁業者会議“Международный конгрессе рыбаков”(メジドウナロードヌイ コングレス ルイバコフ)が、2014年9月4日、同5日、ウラヂオストクで開催され、ロシアばかりでなく、日本、韓国、中国、ノルウエー等、国内外の漁業者、業界団体、研究機関、行政機関の代表者ら600人以上が参加し、報告担当者もその機会を得ました。
 ロシア農業大臣シェスタコフは、会議冒頭、基調講演を行い、食糧安全保障、国民への食糧供給の強化、2018年の漁獲割当設定更新対応、長期的漁獲割当の必要性と新しい条件の準備、特に、漁獲割当の転売禁止、沿岸漁業と沖合遠洋漁業の差別化された制度整備、漁業インフラの整備、養殖漁業と沿岸加工業の発展、2030年までの漁業発展のためのプログラム策定等について言及しました。また、シェスタコフは、この会議の機会を利用し、韓国海洋水産部の代表者と会合、ロシア海域のカニの密漁密輸(IUU漁業)防止への韓国側の対応を評価して、韓国漁船のためのロシア海域におけるスケトウダラの漁獲割当を増加することを表明しました。一方、設定された円卓会議では、ロシア漁業庁副長官ソコロフ(ワシリー)が議長を務め、IUU漁業への対抗措置として、原料ベース以外の製品輸出の開発等の課題が協議されました。ソコロフ(ワシリー)は、漁獲から製品化して輸出するまでの過程を一貫して追跡できるシステムの構築が必要で、洋上輸出の削減、原料ベース以外の製品輸出の開発、極東沿岸地域の加工業の発展が求められると指摘し、そのために原料を供給する漁業者と、付加価値製品を生産する加工業者に対して、インセンティヴとして税制上の優遇措置を準備すると表明しました。更に、別の円卓会議では、西側諸国からの経済制裁に対する報復措置としての水産物禁輸の産業への影響について協議が行われ、ノルウエーサーモンの代替に、ロシア国産のマスノスケの利用促進等が提案されました。
 今月号においては、この第9回国際漁業者会議の関連情報を集約しTopNews としてご報告申し上げます。
 なお、加えて、この会議においてロシア連邦食料農業政策環境評議会委員長ゴルブノフが、ロシアへの制裁への報復措置として、日本漁船のロシア排他的経済水域における流し網操業を禁止する提案を行ったことを、あわせてお知らせ致します。
敬具
(国際漁業対策事業部;原口聖二)
Contents

TopNews  第9回国際漁業者会議が開催される
・“大日本水産会重専務理事が漁業者団体の役割を講演”(第9回国際漁業者会議関連外6件)
・禁輸下のロシアの水産加工製品の開発(経済制裁への報復措置関連外14件)
・シェスタコフが漁獲割当配分のメカニズム改善会議を開催
(ロシア農業副大臣シェスタコフ動向および2ケ国間漁業協定関連等外6件)
・カムチャツカ国境警備局がカニ密漁トーゴFOC船を拘束(FOC/IUU取締情報関連外7件)
・東サハリン海域スケトウダラTAC上積み提案(ロシア漁業者底魚等操業関連外4件)
・オ海北部における無脊椎動物資源漁獲状況(ロシア漁業者無脊椎動物資源操業関連外3件)
・サハリン・クリール沿岸太平洋サケマス生産量(ロシア太平洋サケマス操業関連外5件)
・ロシア漁船 サンマ漁獲量が1万2,700トンに達する(ロシア太平洋サンマ操業関連外5件)
・“ルスコエモーレ”がカムチャツカの漁業会社2社の買収を完了(その他ロシア漁業関連情報外3件)
・秋夕(チュソク) スケトウダラの原産地をよく確認する必要がある(韓国スケトウダラ等市場関連外3件)
・北朝鮮スケトウダラ食品工場が操業開始(北朝鮮漁業関連)
計68報告
http://kisenren.com