ロシア漁業情報

2016/5/1
ロシア漁業ニュースヘッドライン 2016/05

2016年05月10日

ユーザー  各位
                                                                
拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
さて、2016年3月下旬、極東税関当局とFSBは、水産物製品の脱税容疑で、“Доброфлот”(ドブロフロート)社、関連“Южморрыбфлот”(ユジモルルイブフロート)社、そして所属加工母船“Всеволод Сибирцев” (フセヴォロド・シビルツエフ)の捜査活動を行いました。問題となっているのは、昨年2015年、“Всеволод Сибирцев”が洋上で受け取ったサンマ原魚を関税を支払わずロシア製品として販売したいくつかの契約に関するものとされています。この件について“Доброфлот”代表エフレモフは、ロシア極東連邦管区大統領全権代表トルトネフに書簡を送付し、外国のパートナーを含め、原魚を洋上(公海)で受け取り、ロシア旗のもと加工処理をした製品に関する扱いの法解釈の相違だと主張しています。一方、情報によると昨年2015年、“Доброфлот”社は、定期的に冷凍サンマ製品を沿海地方港湾で陸揚げしたが、製造者である“Всеволод Сибирцев”の申請書類による当該製品のステータスは、ロシア関税同盟に属しており、実際には外国産のものを、ロシアの製品に装ったもので、虚偽の申告、つまり関税の脱税にあたることから、関係当局は、ロシア連邦刑法226条1項第3号に基づく容疑で摘発を行ったとしています。
今月号では、極東漁業の大きなスキャンダルに発展した、この事件に関する情報を集約しTopNews としてお知らせ申し上げます。
なお、やはり同年3月下旬、ロシア業界紙(WEB)は、「韓国の税関職員がスケトウダラ詐欺をあばく」と題し、ロシア旗でおこなわれる韓国内国貨物扱い操業(ロ韓合弁操業)の制度を悪用、10年間で940万ドルの関税を脱税して、ロシアからスケトウダラを輸入した業者の摘発事件を韓国KBSの報道を引用し伝えました。この情報についても今月号であわせてご報告申し上げます。
                                                               敬具
       (国際漁業対策事業部;原口聖二)


Contents
TopNews  日本の公海サンマ受入先“フセヴォロド・シビルツエフ”次航海  6月10日に向かう
・“ドブロフロート”はおそらく操業を一時停止するだろう(“ドブロフロート”脱税捜査事件関連外13件)
・ロシア漁業庁 日本との流し網漁業代替漁法協議を4月後半に設定(サケマス流し網代替漁法関連)
・ロ日IUU漁業防止協定委員会代表にサフチュウクが任命される(漁業政策および2ケ国間漁業協定関連等外16件)
・ロシア業界紙 米国のすり身輸出増を伝える(ロシア漁業者底魚等操業関連外8件)
・ロシア漁業者オホーツク海抱卵スケトウダラ・ニシン操業概況(同操業関連6件)
・来年2017年のカニ類TAC設定が論議される(ロシア極東カニ操業関連外1件) 
・ロシア国境警備庁は漁業庁との連携を強化する(FOC/IUU取締情報関連外6件)
・発展が遅れるロシア養殖漁業(その他ロシア漁業関連外6件)
・ロッテマートMDはスケトウダラをアラスカから調達する(韓国スケトウダラ等市場関連外7件)
計73報告
http://kisenren.com