ロシア漁業情報

2016/6/20
ロシア漁業ニュースヘッドライン 2016/07

2016年07月10日
ユーザー  各位
                                                                
拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
さて、ロシア政府は2016年6月3日付No.502により、外国人資本により不正に行われる漁業、その水棲生物資源の漁獲割当を強制的に停止させる規則を承認しました。規則には許可証の登録、発給から、その取り消しに関する事項が盛り込まれているとのことです。
これまで、韓国企業が極東のロシア漁業会社を実質管理し、ロシア排他的経済水域におけるスケトウダラ漁獲割当を年間約20万トン確保してきた合弁(ロシアフラッグ/韓国内国貨物扱)操業について違法性が指摘されてきました。2000年代前半に始まった、このいわゆる”灰色操業”について、2014年7月、ロシア漁業庁は”国防・安全保障戦略産業に対する外国人投資手続法”(外国人投資法)の一部改正が発効した段階で、漁獲割当が没収される等、厳しい対応がとられる可能性がある旨を韓国漁業分野代表に対して通報し、その後、同年12月にはこれが発効しました。しかし、以後も専門家は、未だ整備が不十分な部分があり、水棲生物資源の漁獲に関する外国人投資を規制する法令はあるものの、それを強制的に終了させるための規則が用意されておらず、これを継続することが可能な現状にあると指摘してきた経緯があり、今回の措置に至りました。
今月号においては、極東漁業全体の編成にも大きな影響を与える可能性のあるこの”灰色操業”へのロシア政府の対応をTopNews としてご報告申し上げます。
なお、日本の公海サンマ操業製品引き渡し先“Доброфлот”(ドブロフロート)グループの所属加工母船“Всеволод Сибирцев”(フセヴォロド・シビルツエフ)が今年2016年の事業のため、同年6月7日、ウラヂオストクを出港したこと、一方で脱税問題の処理に関しては、特段の情報が確認されていないことをあわせてお知らせ申し上げます。
敬具
(国際漁業対策事業部;原口聖二)

Contents
TopNews  外国人が実質管理する漁業を強制的に停止させる規則をロシア政府が承認
・漁獲割当変更法案が下院第1読会で可決(ロシア漁業政策および2ケ国間漁業協定関連等外11件)
・公海サンマ受け入れ先加工母船“シビルツエフ”が出港(“ドブロフロート”脱税事件関連外4件)
・今漁期漁獲量が約196万5,400トンとなる(ロシア漁業者底魚等操業関連外3件)
・ロシアは流し網漁業禁止を国際社会に呼びかける(サケマス流し網代替漁法関連外1件)
・サケマス操業 本格漁期を前に科学調査船を投入(ロシア太平洋サケマス操業関連外9件)
・ロシア産カニの密輸に関わる中国の役割が大きくなっている(FOC/IUU取締情報関連外11件)
・アラスカ“G.Pacific Seafoods”破産の一因 ロシア禁輸措置(その他ロシア漁業関連情報外12件)
・韓国イカ漁業 ロシア海域操業の拡充支援が求められる(韓国スケトウダラ等市場関連等外7件)

計67報告
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