ロシア漁業情報
2016/7/20
ロシア漁業ニュースヘッドライン 2016/08
ユーザー 各位
拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
さて、２０１６年６月下旬、ロシア排他的経済水域において禁止されている流し網漁具を使用したサハリン州根拠とカムチャツカ地方根拠の７隻のロシア漁船が、ロシアＦＳＢ東部北極地域（カムチャツカ）国境警備局に拘束される事件が発生しました。これらの漁船が操業していた海域は東カムチャツカ沖合で、以前使用していた流し網に、わずかなデザインの変更を施し、実質、流し網で違法に太平洋サケマスを漁獲していたとのことです。拘束された漁業者側は、使用した漁具が、ロシア漁業庁傘下の水産研究機関により開発された流し網の代替であり、合法的なもので、操業が継続されない場合、ロシア農業副大臣（漁業庁長官）シェスタコフは引責辞任すべきだと主張しましたが、当のシェスタコフは、密漁への対応は厳しく、違反者は法の下で責任を負うことになると語り、国境警備当局による取締活動についても、ロシア漁業庁と完全に一致した行動だと加えました。
これらのロシア漁船には操業のアドヴァイザーの役割を担う３名の日本人が乗船していて国境警備当局に取り調べを受けたとのことです。大きなスキャンダルに発展したこの事件を今月号のTopNewsとしてご報告申し上げます。
なお、ロシア大統領プーチンは、２０１６年７月３日付ＦＺ-No.３４９により、漁獲割当システムの変更にかかる法令に署名しました。法令は２０１９年の漁獲割当の更新に向けたもので、昨年２０１５年１０月１９日、モスクワにおいて開催された漁業分野発展のための国家評議会幹部会合の結果に基づいたものとされています。この情報についてもあわせてお知らせ申し上げます。
敬具
（国際漁業対策事業部；原口聖二）
Contents
TopNews 船長が起訴される 太平洋サケマス沖獲似非流し網代替漁具事件
・副長官サフチュウク あからさまに流し網使用（サケマス沖獲似非流し網代替漁具事件関連外６件）
・新漁船位置システム 来年２０１７年１月１日から（ロシア漁業政策および２ケ国間漁業協定関連等外１３件）
・ロシア漁業者による今漁期漁獲量が約２２５万トンとなる(ロシア漁業者底魚等操業関連外３件)
・２０１６年漁期第４回定例サケマス操業会議を開催（ロシア太平洋サケマス操業関連外４件）
・西カム・アブラガニ カム/クリール・バルダイ 上半期レヴュー(無脊椎動物資源操業関連外１件)
・“Fresh Shuttle” 刑事事件手続きへ（ＦＯＣ/ＩＵＵ取締情報関連外６件）
・食糧輸入禁止措置 更に１年半の延長へ(その他ロシア漁業関連情報外１１件)
・スケトウダラ資源回復プロジェクト 今年は標識稚魚放流（韓国スケトウダラ等市場関連等外６件）
・スコットランド漁業の機会と課題（英国のＥＵ離脱国民投票関連）
計６０報告
http://kisenren.com