ロシア漁業情報

2020/10/10
ロシア漁業ニュースヘッドライン 2020/10

2020年10月10日

ユーザー  各位




拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。

 さて、2020年8月上旬、ロシア漁業最大手“ルスカヤ・ルイボァプロムシェレンナヤ・カンパニヤ「ロシア漁業会社」”が、ロシア首相ミシュスチンに対し、カニの漁獲割当のオークションによる配分を現行の50%から100%に、また、カニ以外の水棲生物資源の投資クオータを20%から50%にそれぞれ引き上げすること、更に、ロシアで建造されていない船齢30年以上の船舶を使用しての漁業の停止を求める要請を行ったことが分かりました。この問題についてロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフは、同下旬、漁獲割当配分の再編に関する提案を支持しない旨を政府へ回報したとロシア業界紙(WEB)が伝えました。ロシア漁業庁は、投資を目的とする漁獲割当のメカニズムの条件の変更は、漁業界に不平等な競争等で混乱を与え、産業の発展に悪影響を与える可能性があり、特にカニの漁獲割当については、オークションの拡大により更なる廃業者を発生させることを危惧するとし、加えて、現実の国内の造船能力を見たとき、2034年までに必要な数の漁船を更新することは不可能だと指摘、老朽船の許可停止問題についても関連機関と業界のコンセンサスが必要だとの見解を示しています。

 今月号においては、引き続き、漁獲割当配分に関する闘争と推察される、一連の情報をTopNewsとしてご報告申し上げます。

 なお、ロシア漁業庁は、2020年8月27日、ロシア漁業者による政府間協定に基づく日本排他的経済水域のイワシ漁獲割当残枠の3度目のオークションを、スタートプライスを下げ開催する予定でしたが、応札申請受付期限となる同年8月19日までに申請者が1社もなく、不成立が宣言されました。これらの関連情報もあわせてお知らせ申し上げます。

                                                    敬具

(国際漁業対策事業部;原口聖二)




TopNews シェスタコフ ロシア漁業会社の提案を支持しない旨を政府に回報

・“ロシア漁業会社”スケトウダラ漁業者協会から追放される(ロシア漁業政策および漁業協定関連等外22件)

・”オークション”漁船建造完了期限延長 行革政府委員会で検討(カニ漁獲割当配分問題関連外2件)

・パラムシル島”投資クオータ”利用水産加工場竣工(投資クオータ関連)

・道東・道南太平洋と資源分布が重複する南クリール海域スケトウダラ資源(スケトウダラ操業関連外11件)

・ロシア漁業者による今漁期漁獲量が371万4,930トンとなる(ロシア漁業者底魚等操業関連外5件)

・2020年漁期太平洋サケマス操業 9月10日実績と達成シナリオ仮説(太平洋サケマス操業関連外24件)

・2020年漁期イワシ・サバ操業概況(イワシ・サバ操業関連7件)

・2020年漁期サンマ漁業漁獲量予測(サンマ操業関連5件)

・2020年上半期 漁業取締活動レヴュー(ロシアFOC/IUU取締情報関連)

・北海道接続南クリール海域スルメイカ操業が開始される(その他ロシア漁業関連情報等外12件)

・ロシア漁業庁サハリン・クリール地域管理局 取締報告(2件)

・9月に入り中国漁船が北朝鮮海域スルメイカ操業一部再開(韓国漁業関連外2件)

・韓国市場 スケトウダラ卸売価格(韓国スケトウダラ市場価格モニター3件)

・英国EU離脱 英国漁業権利の確保を譲らない(英国EU離脱Brexit関連外1件)

計107オリジナル報告

http://kisenren.com