ロシア漁業情報
2025/8/10
ロシア漁業ニュースヘッドライン 2025/08
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2025年08月10日
ユーザー 各位
拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
さて、2025年7月7日、ノルウエー外務省は、ロシア漁業大手“ノレボ”(Норебо)社と“ムルマン・シーフード”(Мурман СиФуд)社に対する制裁措置を発表しました。
これは、同年5月20日、EUが、当該2社がロシア政府を支援する監視活動に参加したとして、取引等を制限する制裁措置にリストしたことへの追従で、駐ノルウェーロシア大使ニコライ・コルチュノフは、不条理な政治的動機に基づいており、2国間協力の見通しを複雑にするものだと述べ、当該2社の財産権益に影響を及ぼす可能性がある違法行為だと指摘、この決定について、遺憾の念を禁じ得ないと言及しました。
また、国際法に違反して課されたEUの規制への盲目的な追従は、バレンツ海の海洋生物資源の持続可能な管理のために長年築かれてきたロシアとノルウエーの漁業協力を損なう恐れがあるとした上で、ノルウエーが北極圏の魚類資源と生物多様性の保全に真に関心を欠いていることを如実に示していると批判しました。
先に当事者の“ムルマン・シーフード”社は、EUによる制裁措置のリストについて断固たる抗議を表明、実際とはまったく違う、完全に誤った前提に基づいていると言及、同社所属漁船がノルウエー領北海において商業活動に携わったことが一度もないと明確に宣言した上で、この制裁措置の決定は私たちに驚きと失望をもたらすだけで、欧州のパートナー全員が同じ意見を持っていると信じていると加えた経緯があります。
今月号では、これらのロシア漁業分野の地政学的立場と外交等に関する直近の情報を集約し、TopNews としてご報告申し上げます。
なお、今年2025年も6月1日から、ロシア漁業者による太平洋サケマス操業が開始されています。当該操業、並びにそれより先に展開されているイワシ・サバ操業等の関連情報もあわせてお知らせ申し上げます。
敬具
(国際漁業対策事業部;原口聖二)
TopNews ロシアへのノルウエー制裁措置 2国間の漁業協力にひびを入れる行為
・ロシア大統領 漁業許可登録の変更法に署名(ロシア漁業政策および漁業協定関連等外3件)
・極東海域未配分漁獲割当 一斉大量オークションを実施(投資クオータ/漁獲割当オークション関連外1件)
・ロシア漁業者漁獲量261万9,700トン(7月16日)(ロシア漁業生産/貿易動向関連外8件)
・東サハリン海域スケトウダラ(またがり資源)産卵行動調査完了(スケトウダラ・マダラ・ニシン等操業関連外2件)
・2025年漁期 ロシア太平洋サケマス漁獲速報(太平洋サケマス操業関連22件)
・ロシア漁業者イワシ・サバ/外国人漁業者操業概況(イワシ・サバ サンマ等表層漁業関連11件)
・EUのスケトウダラ・フィレの輸入量と価格の推移等(2025年4月) (その他ロシア漁業関連情報等外10件)
・韓国 ロシア産スケトウダラ輸入 2025年上期 昨対比11%減(韓国スケトウダラ市場関連外1件)
・韓国近海スルメイカ操業2024年度管理期間操業結果(韓国・中国等 東アジア漁業関連)
・英国EU離脱リセット 英国とEUが2038年までの漁業協定に正式署名(ポスト英国EU離脱Brexit関連)
・スケトウダラ資源への懸念 檜山沖 促進区域指定案縦覧(洋上風力発電と漁業 海外と日本の経験)
計57オリジナル報告
http://kisenren.com