ロシア漁業情報

2012/11/29
号外 中国企業“パシフィックアンデス”にロシア漁業資産売却命令

2012年11月28日
モスクワ発
[中国企業“パシフィックアンデス”にロシア漁業資産売却命令]
ロシア漁業会社を実質支配し、ロシア海域のスケトウダラの漁獲枠を管理しているとされた中国企業“パシフィックアンデス” (PacificAndes International Holdings)に対して、ロシア連邦独占禁止庁長官アルテミエフが、2012年11月28日、外国投資政府委員会は、法令違反により、ロシア漁業資産の売却命令をする決定をしたと発表した。
アルテミエフは、中国企業“パシフィックアンデス”の極東における現在の活動は合法的ではないと指摘、中国同社は違法に取得したロシア漁業資産を売却し、ロシアから退去しなければならないと言及した。
また、アルテミエフはロシアにおいて漁業は戦略的産業分野に位置付けられていて、現行法律の下では、外国投資管理のための政府委員会の承認を受けてのみ、その投資活動が許されるが、現時点において同社はその許可を得ておらず、また、ロシア政府も同社によるロシア漁船等資産購入のための許可を与えていないと語った。
更に、アルテミエフは、中国企業“パシフィックアンデス” はロシア漁業会社を実質支配し、ロシア漁業者名義で漁獲割当を確保して、主たる利益を得ていたと加えた。

(関連過去情報)
2012年10月19日 モスクワ発
[問題解決のため“パシフィックアンデス”と「ロシアの海」が合弁へ]
世界最大のフィレ製品取引業者の中国企業“パシフィックアンデス”(Pacific Andes International Holdings)は、ロシアの水産投資企業グループ“Русское море”(“ルスコエモーレ”「ロシアの海」)と主要事業を合弁で行う可能性がでてきた。
これは、ロシア漁業会社を実質支配し、ロシア海域のスケトウダラの漁獲枠を不当に管理していたとされる“パシフィックアンデス”の展開に関する問題を、ロシア政府が平和的に解決させるためのシナリオとみられ、先週(2012年10月7日からの週)、石油トレーダーで“ルスコエモーレ”主要株主のチムチェンコとロシア第1副首相シュバロフが、この件について協議したとされる。
ロシア側の提案には、中国側の加工施設の無料での使用等が盛り込まれている模様だ。
ロシア連邦独占禁止庁は、この合弁事業を行う場合、ロシア側が51%以上、中国側は49%以下に資本比率を設定すべきだとしている。

2012年04月26日 ウラヂオストク発
[ロシア大手“ルスコエモーレ”「ロシアの海」が極東漁業参画へ]
専門家が、最近、中国人オーナーとの提携について極東漁業会社の調査を開始したことを示唆する一方、大手水産グループ*“Русское море”(“ルスコエモーレ”「ロシアの海」)が、極東漁業会社から資産売却の申し入れを受けていることを明らかにした。
投資関係者は、この中国資本に関する調査が、同グループの資産入手コストを下げ、低下価格なものにすると指摘している。
大手水産グループ“ルスコエモーレ”「ロシアの海」は、かねてから極東漁業に関心をもっており、幹部関係者によれば、中国企業“パシフィックアンデス”(Pacific Andes International Holdings)に関する噂と、提携されていたとされる極東漁業会社への調査は、彼らの資産価値を削減させ、市場価値を下げる、安全な圧力ということができると語った。